細かすぎて伝わらない「#(背番号)90」
えー、皆様、大変お久しぶりでございます。
前回ここに記事を書いたのが2019年11月……???
放置どころじゃなくてもう何も言えねぇ感じですがまあ、生きてます。すみません。パソコンが壊れたりタブレットが壊れたり(2回)何やかんやしてました。
3年近く小説も書かずに何してたんだって感じですが、すみません、新作は何も書いてません。
ぼちぼち創作勢というのもおこがましくなってきましたが、まあ今更なので……諦めましょう。ごめんなさい。
さて、前回このブログを更新してから1度だけサイトのほうを更新しました。
2017年に出した同人誌「#(背番号)90」をウェブに上げたからですね。何でその時ブログ更新してなかったんだろう。まあいいか。
ウェブ公開してから早2年ちょい、この物語の裏話的なあれやこれやがようやく書き上がりました。
深刻なスランプに陥って文章を打つのもままならなかったり(継続中)7割くらい書きあがったデータが消滅したり(2回)ありましたが、何とか形になりました。
せっかく書いたので公開しておきます。裏話とか興味ない人もいると思いますけどすまない……語りたがりなんだ……。
裏話という都合上、ネタバレというかすでに読んでいただいている前提の話しかしません。
あと箇条書きみたいな書き方してるのにめっっっっっちゃ長いです。2万字ぐらいあります。小説を書け。すみません。
それではよろしい方は以下、どうぞお読みくださいませ。
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●執筆前のあれやこれや
2011年頃、某チャットに偶然広島人が3人集まっていたことで盛り上がり、合作を作成(いわゆる「モミジム」)
その後、同じ舞台で何か作れないかなーと考え、その時ぼんやりと考えた設定が
・野球選手(投手)とその恋人のラブコメ的な話
・投手は孤児院的なところ出身、親はトレーナーで捨て子
・主人公は恋人の方で孤児院の経営者の娘とかそんな感じ
・観客席から試合を見ながら何やかんやする感じの話にしたい
みたいな感じ。
結局話の内容自体が全く思い浮かばなかったためお蔵入りとなったけど、設定だけは頭の中にストック。
2015年3月末頃、ついったで「#タイトルをもらってどんな話にするか考える」というハッシュタグが流行。自分も参加し、いただいたタイトルで短編を書くことに。
その際に黒戸屋様からいただいたタイトルが「僕は緋に燃える」。お互い鯉党ということで、カープを題材にすることに。
話を考えるに当たって、前述の設定の一部をサルベージ。「僕は緋に燃える」プロトタイプが4月頭頃に完成。
もっとこの世界を書きたいなー、と思ってその後からゆるゆると執筆開始。せっかくだから本にしたいなぁ、などと考える。
最初は大体5本ぐらいの話をまとめればいいかなー、などと考えていた。
その後、各話の主人公の設定を考えて6話に。で、せっかくだったら野球なんだし9話にしてしまえ、という感じで全体のぼんやりとした流れを決定。ついでにプロローグ・エピローグを「PLAY BALL」「GAME SET」、各話を「Inning○」にすることで本全体で1試合という構成にしようと決定。
全体構成としてはストーリーの中核が3話、その補足になる話が3話、幕間が3話。内訳はメインが1・4・9、サブが2・6・8、幕間が3・5・7。
せっかくなので主人公達の名前の由来など。名字は広島市のデルタ六河川から、名前は広島の諸々から。
- ・元安 灯(モトヤス アカシ)
「元安川」と「灯籠流し」「盆灯籠」から。最初の主人公なのに名前が覚えづらいと自分の中で話題に。
・猿猴 東花(エンコウ トウカ)
「猿猴川」と「とうかさん」から。漢字は猿猴川が1番東側なのとフラワーフェスティバルを意識。
・京橋 千鶴(キョウバシ チヅル)
「京橋川」と「千羽鶴」から。冊子版の時うっかりフルネーム入れ忘れた気がする(それぞれは出てたけど)
・天満 好一(テンマ コウイチ)
「天満川」と「お好み焼き(一銭焼き)」から。思いついたものの執筆当時の監督と名前が被って少し悩んだ(結局そのまま使った)
・太田 楓(オオタ カエデ)
「太田川放水路」と「もみじ(カエデ)」から。太田川放水路が現在の本流かつ唯一の人工河川なことを意識。
・本川 勝鯉(ホンカワ ショウリ)
「旧太田川(通称:本川)」と「鯉の勝ち」から。こういうダイレクトな名前はスポーツ物主人公の特権と思って。
タイトルは割と序盤から「背番号○○」にしようと決めていた。選定理由は何となく。
表記を「#(背番号)90」にしたのは、ついったでエゴサした時に「背番号90」だと普通のツイートが大量に引っ掛かりそうだから少しいじった。でも正直全然意味なかった。普通に関係ないツイートめちゃくちゃ引っ掛かる。
同じタイミングで出した短編集(『路地裏の喫茶店』)もタイトルが普通に使う文章すぎてエゴサしづらかったので、次に何か作るときはもっと奇抜なタイトルにしようと思った。
わざわざ読み仮名を入れているのは、ついったでタイトルを入れたときに#だけだとうっかりハッシュタグ化して面倒なことになってしまうかもしれないので、#の直後に(を入れてハッシュタグ化しないようにしたから。
なお、これは本のカバー折り返しにも書いたことだが、背番号は100面ダイスを振って決めた。正しくは100面ダイスを何回か振って一番最初に2回出た数字にした。まさかのキリ番で少しびびった。
執筆順としては特に順番通りというわけではなく、いろんな話を行きつ戻りつ書いていった。
だから最初に書きはじめたのはイニング9で、最後に完成したのもイニング9。
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●PLAY BALL
ウェブ版のサブタイトル「さあ、野球だ野球だ。」は1番最初に話を考えたときからのこの作品全体のテーマ。元ネタは野球用品の企業SSKのCMで使われていた言葉。
主人公が6人なのでそれぞれの視点から。この時点では最初と最後が同じ人の視点に見えれば面白いなー、などと思いつつ。
・優勝シーン
91年と86年の優勝シーンを融合したようなイメージ。点・展開・実況の内容などはこっちの世界の史実と一致しない。
・白とピンクのポケナビ
2015年前後に発売されたカープGショックのレディースモデルをイメージ。
・タマムシ外苑前
作者が神宮球場に行くときはだいたい銀座線(最寄:外苑前駅)を利用している。
・打者四人を無失点
4凡は基本。
・十年続けばベテラン
話の構成的に例の騒動(7年前)を経験していないメンバーが多いという設定なのでこのぐらいでもベテラン扱いされている。
実は執筆中に設定年齢をちょっといじった(3歳くらい若くなった)のもあってベテランというにはちょっと若いかなー? という感じも若干しないでもない。
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●Inning1:僕は緋に燃える
2015年のプロトタイプから加筆・修正。この世界の大まかな設定・用語は大体この話で説明されている(はず)
タイトルは先述の通りいただきもの。
再構成時のイメソンはフレデリック「FUTURE ICE CREAM」。
・驚いたこと
紅葉の街でトレーナーがあまり振興されてないのは原作で舞台になっていないため、というのがメタな理由。出てないからこそ好き勝手やってます。
残り2つは自分が県外に出て感じたこと。新型爆弾とぼんやり濁しているのはあっちの世界でこっちと同じものが使われたかどうかわからないので。
・コンビニ
ファミマ。執筆時家から1番近いコンビニだった。
バイトにコンビニを選んだのはその頃読んでた「ニーチェ先生~さとり世代がコンビニに舞い降りた~」の影響かもしれない。
・とうかさん
名付けの都合上トウカはさん付けで呼ぶのがデフォ。
ネタ元は広島市で6月頭頃に行われるお祭りの名前。その年で浴衣を最初に着るイベントとされることが多い。「稲荷さん」が呼び名の由来らしい。
・ピカチュウを連れた少年トレーナーが主役のドラマ
アニポケ。広島にはテレ東系列がないのでリアタイできない(少なくとも昔は)
なおこのあと別の話のどこかで「アニメ」って表現のものも出てくるけど同じもの。あっちの世界ではデフォルトが実写ドラマで子供向けに同じような設定のアニメもやってるって設定にしている。
・二十五歳
プロトタイプ執筆時の作者の年齢。就活に失敗し続けて精神的に死んでいた。かなり反映されている。
完全に余談だが作者はこの就活のゴタゴタが完全にトラウマになっており、この時期以降の作品のほぼ全てに何らかの形で反映されている。
・ポケモンセンターに宿泊
アニポケ辺りで使ってた気がする設定。自分の小説世界ではトレーナーであれば宿泊と簡単な食事は無料で受けられるっていう設定でやっている。
宿泊場所はユースホステルとかドミトリーとかをイメージ。
・だって、もう二十五である
就活失敗し続けている当時の作者の精神状態がとてもよく反映されている。
・ぶらぶら歩く
原宿→青山→明治神宮周辺 辺りのイメージ。
・飲食店やコンビニの並ぶ少し狭い道
外苑前駅から神宮球場へ向かう通り。なぜか途中に阪神タイガースのショップがあった。
・外野自由席
プロトタイプ執筆時にモデルにしていた2013、14年頃は、まだ神宮の外野は一部を除き自由席制だった(後に完全指定化)。
・『野球』というものがマイナーな競技になって
90年代~2000年代の世間での野球の扱いをイメージ元に。
・ポ球
ネーミングはとりあえずポケとかつけとけばいいっていう公式のノリを参考にした。
・故郷での野球の扱い
広島では割とマジでこんな感じ。
・相手チームの打線が大爆発
セ界の火ヤク庫。
・ポ球のどこやらのチームのピジョット
イニング8で出てくるのと同じ鳥。イメージモデルはバントの神様こと川相昌弘さん。
・本日の野球の結果
90年代ぐらいまでパ・リーグのスポーツニュースでの扱いがこんな感じだった。
・夏場のデーゲーム
こっちの世界では真夏の屋外球場はほぼ間違いなくナイターなんだけど、あっちの世界ではポ球との兼ね合いで稀にあるっていうことにしている。水分は取ろう。
・サンバイザーに水色の花をつけたソフトドリンクの売り子
もちろんイニング4の主人公、チヅルである。
暑い時席の近くまで来てくれるソフトドリンクの売り子さんは神に等しいありがたみがある。
・ヤジ
よくある。もっとひどいのもよくある。
・特携
先述の設定だけ考えていた話からサルベージしてきた孤児院設定に肉付けしたもの。こういう感じの施設自体は2010年ぐらいから考えてはいた。
略称の「トッケイ」は響き重視。
・スポンサー
次の話でスポンサーと揉める描写を入れようと思っていてやめた名残。
・赤い革製の長財布
カープ公式グッズのグラブ革長財布。
・カープファン
マジカープのファンはマジカープを長いので略してカープと呼んでいるというネタを入れようとして忘れた。
・普通のキャップより少しつばが長めの帽子
2011年ぐらいに販売されていたつば長キャップ。
・マジカープの選手
名前は広島市の町名から。
ついでなのでこの話に出てくる選手達の簡単な設定など。
モデルはいたりいなかったりするけど実在人物とは何の関係もない。いてもイメージ程度。
背番号は全て百面ダイス。年数は「僕緋」時点。
- 段原 霧人(ダンバラ キリト)
三塁手。大卒社会人経由9年目。背番号4。
最初に想定していたより出番が10倍ぐらいになった。こんなに重要キャラになるとは思ってなかったのでもっと考えて名前つければよかった。
下の名前はモデル選手の出身地が霧で有名なことから。モデルは前#6。
紙屋町(カミヤチョウ)
二塁手。高卒4年目。背番号30。
ムードメーカー同級生ズその1。守備力が異常。モデルは#33。
八丁堀(ハッチョウボリ)
中堅手。高卒4年目。背番号28。
ムードメーカー同級生ズその2。ノリのいい理論家。モデルは前#9。
新天地(シンテンチ)
遊撃手。高卒社会人経由2年目。背番号26。
ムードメーカー同級生ズその3。グループの中ではストッパー役。モデルは#2。
流川(ナガレカワ)
右翼手。高卒2年目。背番号7。
期待の若手。新天地とはドラフト同期で同級生ズとよくつるむ。モデルは前#1。
横川(ヨコガワ)
左翼手。高卒1年目。背番号43。
宇宙人枠。いつもぽやんとしている。モデルは#17やその他他球団の数人。
東雲(シノノメ)
一塁手。高卒6年目。背番号60。
なかなか1軍に定着できない苦労人。イケメン。モデルは#7。
舟入(フナイリ)
捕手。大卒11年目。背番号42。
11年目ながらチーム1の年長者。頼れる正捕手。モデルは前#31。
基町(モトマチ)
先発。高卒6年目。背番号18。
球界を代表するエースピッチャー。しかし無援護。モデルは前#18。
井口(イノクチ)
先発。高卒5年目。背番号24。
なぜか何かと不幸な目にあいがち。「僕緋」のトラブルで残りシーズンを棒に振るが翌年覚醒する。モデルは#19。
白島(ハクシマ)
中継ぎ。大卒8年目。背番号47。
目立たないながらチームをひっそり支える年長組。左投げでややサイドスロー気味の投球フォーム。モデルは前#23等数名。
皆美(ミナミ)
抑え。大卒3年目。背番号17。
強心臓のクローザー。左投げ。モデルは#21。
ちなみに例の騒動を経験した現役選手は、マジカープではホンカワ、ダンバラ、ハクシマ、フナイリの4人のみという設定。
・合併騒動
モデルは2004年の球界再編騒動。詳しく述べると非常に長くなるのでウィキペディア等参照のこと。
簡単に言うと経営難から近鉄とオリックスの合併の話が起こり、それに乗じて他球団の合併や消滅を進めリーグの1本化が囁かれた騒動。球界初のストライキなども起こりつつ、最終的に近鉄とオリックスは合併してオリックス・バファローズとなり、空いた枠に楽天が参入した。
・選手会長
イニング9に出てくるタマムシスウェローズのアオヤマさん。
・投手の頭に直撃
割と大事故。過去にかの黒田投手もメジャーでやられたことがあった。
・担架に乗せて退場
ここ実はプロトタイプの時担架に乗せてなかったんだけどどう考えても担架案件だったので担架にした。頭を強く打ったら動かしてはいけない。
・緊急登板(スクランブル)
響きが好き。
これに限らず「日本語名(英語読み)」は英語の方がカッコイイけど日本語の方が意味がわかりやすいところで多用している。
・「本川の13球」
ウェブ掲載版の小タイトル。元ネタは山際淳司のノンフィクション「江夏の21球」。
タイトルだけでなく本文もかなり同作品の影響を受けている。とてもオススメ。
・地面すれすれでキャッチャーのミットに収まった
ここ実はプロトタイプではワンバウンドしてたんだけど、バウンドしたら完全捕球になるかちょっと自信がなかったからノーバウンドにした。
(※完全捕球でない場合「振り逃げ」が成立し、アウトを取るためにタッチするか一塁にボールを送らなければならないため何か締まらない)
・期待の若手の今シーズン第一号逆転ツーランホームラン
これは自慢ですが、これのプロトタイプかいたのが2015年の3月末で、その時このシーンでイメージしてたのが鈴木誠也だったんだけど、彼が大ブレイクしたのが2016年6月頃なのでつまり作者の先見の明(ドヤ
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●Inning2:声の行方、届く言葉
前の話から割と直接の続編にあたり、僕緋プロトタイプ完成後すぐに話の大筋は作りはじめた。
内容は本来予定していたものから少し削った(スポンサーと揉めたりしていた)
テーマとしてはサブに当たる話だけど、他の全ての話と交差しているジャンクション的な立ち位置でもある。
・駅からドームへの道
JR水道橋駅西口から東京ドームへ行く道。
水道橋駅のホームにはドームへの案内に東口にも西口にも矢印が書かれているが、東口にいくとかなり遠回りになるので西口がオススメ。
でもエレベーターは東口にしかないから大荷物持ってるときは注意だぞ(一敗)
・本日のユニフォーム
以前とある球場で見かけた「今日のユニ誰にするー?キャッキャッ」って楽しげにユニフォームを10枚ぐらい鞄から出しているお姉さん達が印象に残っていた。
・限定Tシャツ
サヨナラ勝ちをした次の日の昼にはデザインが発表されてその翌日には売り出され秒で売りきれるカープ名物。
・頭にはタオル
特に明言はしていないが、たーぼうという頭に巻く専用タオルをイメージ。
首の後ろも覆ってくれるから屋外球場の日よけにも大活躍だぞ。
・座席全面に布の広告
減らした座席を無駄にしない効率のよい広告方法。
こっちではオリックス・バファローズの本拠地京セラドーム大阪でよく見られた。
・試合
モデルにしたのは2013年の巨人優勝決定前日の試合。現地にいた。
・お願いだからそろそろ打ってほしい
ムエンゴはエースの証。
・ドリンク売りのお姉さん
もちろんイニング4主人公のチヅル。
・まさかのホームラン
ジエンゴもエースの証。
・冷蔵庫の中身
トレーナー業が発達してるならそういう日用品の宅配サービスみたいなのも発達してそうだと思った
月とか年の契約で定期的に宅配してくれるサービスをイメージ。
・カイにい
言うまでもなくカエデ。時系列的にはイニング9でショウリに電話をかける前。
・遊びに行こうか
事案発生。
・地下鉄の駅
丸ノ内線後楽園駅。発車メロディが巨人球団歌の「巨人軍の歌-闘魂こめて」
・遊園地
東京ドームシティ。
ふもとにムーミンカフェもあるからみんなも行こう(ダイマ)
・俺たちはコイキング
何でわざわざ弱いコイキングを? という疑問に対してのメタ的なもの以外の回答。
・遠くに引っ越してしまって
結婚しました。
・テンブロ
カープ公式ホームページで2022年1月まで公開されていた「たかあきブログ」、旧「球団広報ひがくんのブログ」「ひがこまブログ」「こまブロ!」を参考に。
通称の温泉は名前を決めた後でそれっぽいと思ってつけた。
・徹夜で作った資料
イニング3を書いたあと作ったもののようだ。
・応援(スクワット)
選手の応援歌に合わせて立ったり座ったりするカープ独特の応援。大腿筋のトレーニング。
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●Inning3:DUGOUT:テンマ広報の取材メモ
「DUGOUT」とついているのは幕間的な立ち位置の話。
この世界の歴史、ポ球、野球との関係、ここまでの経過などのまとめ。読むとその後の伏線等もちょこちょこあるけどまあ正直読まなくても大丈夫な話。
ただ書いてる方は途中からノリノリになってしまい無駄に長くなってしまった。
・DUGOUT
ダグアウト。グラウンドより低い位置にある選手控え場所。要するに「ベンチ」「控え」のこと。「#90」では幕間ぐらいの意味でとっていただければ。
名付けには横浜DeNAベイスターズがオフシーズンに出していた、舞台裏をまとめた映像集「ダグアウトの向こう」が意識にあるかも。
・あるトレーナー
もちろんトウカさんのこと。この時点ではまだ顔も合わせていない。
・トレーナーの歴史
基本的に自分の創作世界は、こっちの世界の歴史と大筋は同じという設定になっている。
初代周辺であった公式の設定や公式? の設定や勝手に作った設定をこっちの世界の歴史に混ぜ込んでいるイメージ。
・武将(ブショー)
ポケモン×信長の野望ネタ。あのゲームはランセ地方という設定で時代は他と同じだった気がするが気にしない。
・『ポケットモンスター』という名のRPG
あっちの世界にもゲームのポケモンがある設定。初代とかのタマムシデパートなんかで売っているから多分存在する。
・野球の歴史
これも大まかにはこっちの史実に沿っているつもり。
イメージとしては「王・長嶋が存在しなかった世界線の野球の歴史」。
・ポ球の歴史と流入
防具の発展とかは割と実際の野球の発展の歴史なんかも参考にしている。
イッシュ発祥なのはライモンのビッグスタジアムが印象的だったのと、別の話で最初イッシュに行く予定にしていたということもある。
・ポ球のルール
書いててどんどん勝手に設定が生えた。楽しかった。
・指令捕手(コマンドキャッチャー・CC)
いろいろ生えたりなんだりしたポ球の設定の中で、今後話を読む中で大事なのはほぼここだけである。
守備番号を0にしたのは90と絡めて何か出来ないかなーと考えた名残だけど守備番号9はライトなので何も出来なかった。
・プロポケモン野球協会(PPB:Professional Pokemon Baseball Organization)/プロ野球連盟(PBO:Professional Baseball Organization)
元ネタは日本野球連盟(NPB:Nippon Professional Baseball Organization)。日本という単語を使わず名付けようと頑張った。
・コウシエン
最初は全く別の名前も考えていたけど、どの案もどうしてもしっくりこなかったので苦肉の策としてカタカナ表記でお茶を濁した。
・合併騒動の前年に起こった事故
カエデのアレのこと。
・ポ球の選手会も反対
生前にカエデがいろいろと頑張っていたようだ。
・ボールポケモン
かつてカープではミッキーという名のゴールデンレトリバーがボールを運ぶボールドッグの仕事をしていた。背番号は111。とてもかわいかった。
・資料は別に用意しよう
しかしこのあと徹夜で作ったものの持って行くのを忘れる。
・安佐北(アサキタ)
由来は広島市安佐北区から。主人公と選手以外の球団関係者は町名以外から取る予定だったが結局アサキタしか名前が出なかった。
+++
●Inning4:スタンドの熱
テーマとしてはメインにあたる話。というかテーマとしてはある意味この本の中で一番語りたかったところ。
チヅルは当初はここまでドライな子じゃなかったんだけど、このくらいの方が自分としては書きやすいかもしれない。
・ソフトドリンクの売り子さん
作者があまり酒を飲めないのでものすごくお世話になる。
売り子さんを主人公にしたのは球場でのある思い出が強烈だった(後述)のと、漫画「球場ラヴァーズ」の影響か。
神宮とドーム両方でバイトしてるのは間違いなく球場ラヴァーズの影響。
・赤い立ち売り箱
コカコーラ。
・笛の音
試合前練習の時は内野外野問わず結構な頻度で客席にボールが飛び込んでくる。気をつけよう。
・赤い90番
アカシ。僕緋でチヅルが出る時より時系列的には前。
・水色の花をつけたサンバイザー
売り子さんは自分の印象付けのためにいろいろ身につけたりする。
作者が神宮球場でよく遭遇したソフトドリンクの売り子さんが水色の花をつけていたのでその印象から拝借。
・携帯獣取り扱いに関する法律 第三章第一節第四十七条
昔書いた「塀の中」という小説で初出の、自分の世界にある法律。飲酒バトルの禁止。
元ネタは飲酒運転禁止の法律(道路交通法第65条第1項)
・給料は歩合制
この本に書かれている金額はリアルとは異なるが、売り子さんのお給料が歩合制なのはマジ。
ソフドリがビールより売れないのもマジ。
作者は球場に行った際飲み物は極力売り子さんから買うことにしている。
・はっきり言って、興味がない
ここまで野球大好きな人しかいなかったので、少し離れた視点の人が欲しかった。
・ダブラン
ユニランよりは進化していて、でも最終進化のランクルスではないというチヅルのトレーナーとしての実力を表すチョイス。
でも書きはじめ当初はユニランだったことは内緒。
・サイコソーダ
こっちの世界のソフドリの売り子さんは立ち売り箱だけど、売り子さんといえばやっぱ背中に担いだビールサーバーだろう。
そしてあっちの世界で炭酸といえばやっぱこれだろう。
・成り行きで入った放送委員/よく通る声
エピローグの伏線。
・京橋千鶴さん
同人誌の中でフルネームを出すのを忘れた(苗字と名前それぞれ別では出てた)のでネット掲載の時こっそりここに追加した。
・面接はあっさり通り
リアルな話ではドームの売り子さんはかなり採用のハードルが高いらしい。
・もし夜の時間があるなら
こっちの世界で球場のバイトは深夜にかかることもあるので18歳からだけど、あっちの世界だとトレーナー業が発展してるし割とその辺の年齢制限は緩そう。
・ボールを近くの席に座っていた子供に渡し
球場で拾ったホームランボールやファールボールは子供に渡すのがよいとされるがもって帰るのが悪いわけではない。自分はまだ拾ったことがないので持って帰りたい。
・赤羽先輩
名前は東京都北区赤羽から。やっぱり名前は大体地名。
・長期休暇に旅
自分の世界ではよくある設定。「ヨーヨー、顔文字、オムライス」あたりから定番になっている。
・レフトスタンド中段通路前にいつもいる90番
もちろんアカシのことである。
・お客様の顔は忘れません
自分は地方民な上に基本ビジター席なので球場は年に数回しか行けないが、神宮で出会ったとある売り子のお姉さんが1年ぶりぐらいに球場に来た自分のことを覚えていてくれてとても驚いた思い出がある。
売り子さんという存在に興味を持ったきっかけのひとつ。
・控室のモニターで
優勝決まるかもって時は混乱が起こるかもしれないから早めにバックヤードに引き上げるそうだ。
・緋色のファン達
モデルにしたのは2013年の巨人の優勝決定戦。現地にいた。
・オレンジ、緑、青、黒、紺、臙脂、黄、灰、白、それに赤
巨人、ヤクルト、横浜・中日、ロッテ、西武・オリックス、楽天、阪神・ソフトバンク、日ハム、ホームチーム、広島。
並びは口に出したときのリズム感重視。
・ホットコーヒー
とあるナイターの試合がものすごく冷え込んで、寒い寒いとひとり凍えていたところにホットコーヒーを持った笑顔の売り子さんが来てくれた思い出。身も心も暖まった。
・愛だ。これって、愛だ
この本で一番伝えたかったこと。
+++
●Inning5:DUGOUT:元日に始まったCM(コマーシャル)
本当は前のイニングの、ウェブ掲載の時に分割したところで言う4ー3と4ー4の間に入っていた。
ちょっと長くなってリズムがいまいちになりそうだったのと、チヅル以外の視点も入れたかったので独立。
物語をファン・バイト視点から球団職員・選手視点へ移す橋渡し的な話でもある。
・CMの描写
明確なモデルはないがイメージの元になったのは2016年頃の創建ホームのCM。
広島のローカルCMで、カープの選手が使われるのが恒例。この年は出演選手がもう一人の自分と対峙する感じの演出だった。
・ポケモンの選択
何か最初に浮かんだ絵面がルカリオとバシャーモだったのでそのままそれぞれの手持ちにした。
・球場へ行こう!
NPB公式ソング「Dream Park~野球場へ行こう!~」がネタ元。
・シーズンオフのイベント
主に若手が頑張る。ファンにとっては野球のない時期に選手に触れ合える貴重な場。
+++
●Inning6:液晶越しの赤色
日常回兼他イニングの舞台裏回。
タイトルの発想元はツイッターとかインスタに存在するハッシュタグ「#ファインダー越しの私の世界」
最初は海外(イッシュ)に視察に行って何やかんやっていうのを考えていたけど、何か思った感じにならなかったので広報会議にした。
・『テンブロ』→『露天風呂』→『温泉』
自分は執筆はメモ帳でやってて、書き上がった文章を一太郎のテンプレに放り込んで縦書き原稿を作っていたんだけど、ここの矢印は縦書きだと「↓」にしたかったのにどういうわけか「←」になってて、しかも何回も見直したのに本になるまで気付かなかった。この本1番の後悔。
・温泉
こっちの世界では公式ブログではないが湯布院でリハビリキャンプが始まると温泉に浸かった選手の写真がスポーツ新聞のニュースで掲載されるのが定番だったりした。
・☆
ブログ記事にやたら☆マークが入っているのは、文章の上で絵文字顔文字が使えないからその代替で絵文字を使っていそうなところに入れたため。
全部白い星なのは黒星だと縁起が悪いから。
・広報の仕事
以前球場の裏方に密着したテレビ番組を見たが、本当に仕事内容が幅広くて敬服した。
・タマムシの某球団の某マスコットという超絶ブロガー
神宮の某ペンg……つばめ。
・愛する嫁と娘
何だかんだあったけど今は幸せなようです。
・野手に奢ってもらいなさい
リアルの選手達は割と野手と投手でまとまりがちらしい。
・電話の相手
奥さん。実はイニング9にちらっと出てくるマイちゃん。
・「ホンカワ」が「モトさん」の理由
まあメタ的には「ホンさん」とかより「モトさん」の方が響きがよかったから。
・本通(ホンドオリ)さん
モデルは旧#20と旧#24と旧#18を足したようなイメージ。
・ポケモンアレルギー
2010年前後に設定だけ考えていた。ようやく出せた。
・若手バッテリー歓迎会
贔屓球団の#30が人的保障で巨人からカープに来たとき、前#20と前#31が率先して歓迎の飲み会を開いたという話が元ネタ。
・野菜も食べなさい
なぜか第一線の選手には偏食家(特に野菜嫌い)が多いというイメージ。
・モトお母さん
多分このあとファン達の間でプチ祭になった。
・俺こういうの初めてだからなあ
四半世紀優勝から遠ざかっていたせいで……。
・球団広報たち
名前は各球場の最寄り駅から(一部除く)
せっかくなので以下に一覧。
- 水道橋(スイドウバシ)
ヤマブキレジギガス広報。女性。みんなのまとめ役。水道橋駅から。
信濃(シナノ)
タマムシスウェローズ広報。女性。物静かだがたまに出る言葉の切れ味が鋭い。信濃町駅から。
関内(カンナイ)
クチバベイスターミーズ広報。男性。元選手。ノリが軽い。関内駅から。
矢田(ヤダ)
ヨシノドラゴナイツ広報。男性。広報メンバー最年長。ナゴヤドーム前矢田駅から。
鳴尾(ナルオ)
アサガネエレクティヴィアズ広報。男性。元選手。ボケとツッコミならツッコミ担当。最寄の甲子園駅の一つ隣である鳴尾・武庫川女子大前駅(執筆時は鳴尾駅)から。
福住(フクズミ)
シンオウタイローグズ広報。男性。意見は割とズバズバ言う方。福住駅から。
宮城野(ミヤギノ)
ミチノクブラヴィアリーズ広報。女性。水道橋とは入社前からの昔なじみ。宮城野原駅から。
所沢(トコロザワ)
ハナダルクスレイズ広報。男性。元選手。一番全体を俯瞰している。西武ドーム(現ベルーナドーム)所在地の所沢市から。
幕張(マクハリ)
セキチクウィンガルズ広報。女性。流行とオシャレに一番敏感。海浜幕張駅から。
千代崎(チヨザキ)
ケルディオ・バファランツ広報。元ブルーケルディオの選手。口数少ないが心は熱い。ドーム前千代崎駅から。
唐人町(トウジンマチ)
トウカスタラプターズ広報。男性。常に丁寧な物腰。唐人町駅から。
一覧にしたが話を読む上で覚えておけばいいのはスイドウバシさんだけである。
余談だがカープの球場(マツダZoom-Zoomスタジアム広島)の最寄り駅は広島駅である。
・通信会議
これを書いたときはまさかネット会議がこんなに日常のものになるとは思ってなかったのに……。
・徹夜決定である
しかし持っていくのを忘れる。
・プロスポーツとしての野球
ファン目線からのプロスポーツをこの前のイニングまで書いてきたので、球団側の目線からの応答のつもり。
ここに関してはもっと広く深く掘り下げられそうだが、とりえずここに書いてある考えが現状の自分の限界である。悔しい。
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●Inning7:DUGOUT:モミジの街にて
ここまで飯要素が足りないのとどうしてもお好み焼きを食べたかったので入れた話。
内容としては、このあとこの本のメインストーリーである#90に入るので、ここまでのイニングのまとめと後日談的なもの。
・新幹線
執筆時本物のダイヤをを見ながら決めた記憶がある(何時の新幹線だったかは忘れた)
・真っ赤な服
ユニフォーム。観戦時球場までユニフォームで向かうか着いてから着替えるかは人による。
ただ広島では試合があろうがなかろうがどんなタイミングで着ててもそんなに浮かない(普通に街中にいたりする)
・真っ赤な鞄
球団から出ていたユニフォーム柄のキャリーバッグ。
・お好み焼き
お好み焼きをお好み呼びするか焼きをつけるかは人によるけど作者はつける派。
・お好み焼き屋
モデルは銀山町の八昌。
特に作者の行きつけというわけではないが(※作者は広島出身だが広島市ではない)おいしかった。
・イカ天
オススメのトッピング。イカの天ぷらではなく駄菓子のイカ天。
お好み焼きには入れないがまるか食品のイカ天瀬戸内れもん味はめちゃくちゃうまいからみんな食べよう。
・ポケモンセンター
ちょうどプロトタイプが完成して執筆を始めた頃にポケモンセンターヒロシマがオープンした。
オープンからしばらく店内でコイキングもらい放題イベントをやっていた。
ついでにその後マジでカープとコラボしてコイキンググッズが出たから個人的に大変楽しかった。
・店内にカープグッズがずらり
広島の日常。
・島の方の神社
宮島。作者はかなりご無沙汰している。
・身体の半分はソースでできている
お好み焼きを食べたい時に作者がよく言っている。
・へらで食べる
通とか作法とかじゃなくて単純にへらの方が食べやすいと個人的には思う(広島風は重なっているので箸で食べるとばらばらになりやすい)
でも普通に箸で食べる人いっぱいいるから箸で食べればいいと思う。
・『カイにい』
カエデの名前ここで初登場。
カエデが舌足らずになってカイデ呼びになるかは正直わからないけどカイにいの響きがよかったから採用した。
・サイトにこっそり置いてあった奴
イニング3の文章。
・僕の年で三年っていうと、正直かなりやばい
年齢に関しての諸々はずっと不安や絶望が付き纏う。このあたりも就活失敗した余波。
・30イニング無失点
ちょうどこれを書いてた頃に誰かがやっていた気がするけど誰だっけ……
・去年はAクラス止まりだったけど
ちなみに設定的に僕緋から3年の間の優勝チームはヤマブキ→タマムシ→マジカープである
リアルだと2014~2016をイメージしてもらえれば。
・スタメン発表まで30分もない
いつの間にか5時を回っていたようだ。
・球場隣のショッピングセンター
コストコ。屋上から球場内の様子も見えるほど隣にある。
ちなみに自分の世界では、「そらをとぶ」の着陸は特定の場所のみ許可されているという設定。自宅の庭とかベランダみたいな私有地はともかく公道の好きなところに勝手に降りては行けないことになっている。なのでゲームの主人公は大体ポケモンセンターの前に降りるのだ……という理由付け。
・夕凪
時期的に早いと思うけどどうしても夕凪使いたかったからとても暑い日にした。
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●Inning8:7回(ラッキーセブン)のグラウンド
このタイトルならどう考えてもひとつ前に持って行くべきだったと思うけど、内容的にどうしてもここに置かざるを得なかった……。
じゃあタイトル8回にしろよって話だけど、でもやっぱりラッキーセブンって響きは使いたかったし……。
短いけれどメインシナリオ。内容としてはここまで具体的には触れてこなかったポ球サイドのこと。ラストイニングのプロローグ的な役目でもある。
・7回(ラッキーセブン)
「7回には点が入りやすく試合が動きやすい」という俗説から生まれた名称。
野球においては攻撃前に球団歌を歌ったりジェット風船を飛ばしたりするところが多いため、ファンにとっても特別なイニングかもしれない。
・CC(コマンドキャッチャー:指令捕手)
ここの描写のために作ったポジションと名前だけど、なかなかいい響きのものができたと思う(自画自賛)
・ピジョット
イニング1のテレビにちらっと出ていた鳥。
この先も黙々とバントを積み上げ「僕緋」の頃に世界記録を達成する。
・個人的にはこういう選手が大好きである
作者の主張。
・イメージと競技のギャップ
こういうのが頻出しそうな辺りがポケモンに野球やらせると面白そうなところではある。
・相手の四番はゴーリキー
カイリキーにしようかと思ったけど、あえて進化前にして小技も得意そうにしてみた。
余談だが相手チームは所属しているポケモンがほとんどカントー図鑑のポケモンという設定にしている。5番はカラカラ。わかる人にはわかるポストカードのあいつ。
・こんな時、あいつならどうするだろう
もうひとりの背番号90。
・キャッチャーファールフライ(補邪飛)
捕邪飛(ほじゃひ)っていう響きが好きすぎて無理矢理ルビをふった。
ここでの動作がイニング9で語られる「事故」の前フリになってたり……。
・キャッチャーとピッチャーのポケモン
相手チームのポケモンをちゃんと種族名で言っているのにこちらのバッテリーをぼやかしているのは、例の「事故」の原因となったポケモンを特定したくなかったため。一応設定として決めてはいるけど表にだすつもりはない。
・街の方では
夕凪の描写を軸に、前イニングから次のイニングに繋ぐための布石。
・死球は困るな。本当に死にかねん。
うん……。
・「ナイスリード、カエデ」
きっと皆様お気づきだったとは思いますが。
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●Inning9:#(背番号)90
他の話が布の縦糸とするならこれは横糸。この本のメインタイトルであり、全ての話の下敷きであり、全てを繋ぐ話。
執筆時あまりの長さに作者本人が一番ひいていた。
イメソンはLEGO BIG MORL「君の涙を誰が笑えるだろうか」。
・日入りの直前。海と陸の気温が同じくらいになる頃……
ここからの一連の描写が今まで書いた全ての作品の中で1番かもしれないってレベルで気に入っている文章。
こういう何というかポエティックな文章を書くのも読むのも好き。
・夕凪
漫画の「夕凪の街 桜の国」あたりが代表的だけど、広島という街を象徴するもののひとつとして夕凪は入れたかった。
言葉自体の風雅な響きと実地でわかる地獄のようなクソ暑さのギャップもいい。
「夕凪がプレーボールの合図」というのは特定の誰かの言葉ではないですが、現地民の実感として。
ただ実は、現在のカープの本拠地であるマツダZoomーZoomスタジアム広島はデルタから少し外れた山の方にあるため昔の市民球場の頃ほど夕凪の影響は大きくない。
・最高潮(クライマックス)
クライマックスって響きは野球ファンとしてはこう……ね、特別感がね……。
・紅葉の街から北へまっすぐ行ったところにある町
町自体はモデルの選手の出身地を参考にしてるけど地理は意図的にずらしてある。
・初雪の降った日
些細なことだけど後でまた出る。
・ピンク色で丸くて大きな目のポケモン
プリンちゃん。
・マイちゃん
後の嫁である。旧姓は高田(タカタ)
・中学にはいる直前ぐらいに発売されたゲーム
ポケモン赤緑。
・段原の実家
昔書いた「ヨーヨー、顔文字、オムライス」「太陽、ひまわり、キーボード」に出てきた、捨てられたり何らかの事情で手放したけど野生に帰せないポケモンを他のトレーナーに譲る活動をやっている施設。前2作に出てきた施設そのものではないが支所みたいなもの。
ちょうどよかったので設定をサルベージしてきた。
・あるいはどこかに引き渡したり
知らない、知らない。俺の知ったこっちゃない。(※「俺のバイトを紹介します。」)
・安全ピンで留めるゼッケン
正直少年野球の背番号がこういう扱いでいいのかはわかんないけどまあぶっちゃけ作者の都合です(
・太田 楓
モデルらしいモデルがいるわけではないが、元々「物語中で亡くなる人」という設定が最初から決まっていたため、境遇やら何やらは早世した元C#14や元G#0(84)あたりを参考にしている。
特に人柄、選手としてのスタンス、キャッチャー関係である辺りで元G#0はかなり影響を受けている。
・カエデの両親
元エリートトレーナーで現在はエリートを育成する教官みたいな仕事をしている。ゲーム的にはベテラントレーナーとかその辺のキャラ。
家を空けがちなトウカさんの両親と知り合ったのもその辺の縁からっぽい。
・街の方に出てて
PLAY BALで街頭テレビを見ていたタイミング。
・コウシエン
これを書いていたときは……本当に夏の甲子園が中止になるようなことになるとは思ってなかったんだ……。
・コウシエンが少しルールを変えて再開
詳しくはイニング3を参照のこと。
・全ての大会でベストエイト
優勝じゃないところがプチポイント。
・こんな大きな番号、普通はコーチや控え選手が着けるものだ
とはいえキリがいい番号なので実はそれなりにつけている選手も多い。
・抑えは後続(リリーフ)の中で一番の選手が投げる場所
モデルの選手が現役時代に行っていた言葉。
・社会人野球に入っていたダンバラ
このためイニング2の過去でルーキー扱いとなっている。
・ありゃ熱狂的ファンになる素質があるぜ、間違いなく
身の回りを球団グッズで固めるタイプの熱狂的ファンになった。
・とうに優勝チームは決まり、順位もほぼ確定していて、僕のチームは変わらず下位を低迷していて
暗黒時代は……辛かったね……。
・真っ白なシーツに包まれ、顔に白い布をかけられたカエデ
この先の描写のためだけにスクエアさんでは残酷描写オンにした。
・投げられない
いわゆるイップスのようなものをイメージ。本物はいろいろ複雑な事情が絡んでくるしこんな簡単に克服できないけど(
・監督
ここで出る人とこの話の最後で出てくる人がだいぶ経ってるのに同じっぽい感じがするけど同じ人です。
この翌年に監督を辞任して、僕緋の翌年(イニング7の年)からまた監督をやってます。2期目です。
苗字は宮島(ミヤジマ)。
・青山さん
苗字は神宮球場周辺地域の呼び名である青山から。下の名前は要(カナメ)。
モデルは例の再編騒動の時に選手会長だった元Y#27。
・選手会の役員
まあ役員云々の話はともかくとして、選手会関係の諸々を絡ませようと思ったのは、2004年の球界再編騒動の時に選手会が出したCDの「白いボールのファンタジー 選手会ver.」で本川さんのモデルの選手が歌っていたからである(青山さんのモデル選手ももちろん歌っている)
・「僕は!! 野球が!! 大好きだからですよ!!」
この本で1番言いたかったこと。
・都心に初雪が降った
拾われたあの日と同じように。
・紅葉の形をした饅頭
もみじ饅頭。作者は定番ならにしき堂のこしあんが1番好きだけど同社のお餅も好き。
・手紙
ベタな展開だけど好きなんだよなぁ……。
・僕は、ポケモンにいろいろなものを奪われた
この話を書きはじめたとき、実は最後の着地点がはっきりと見えないままキャラに成り行きを任せていた。
ここまで話を書いて、たくさんのキャラクターの人生をのぞき見て、本川さんがこの段落を語りはじめた時、ああ、この本はこれでよかったのだ、この結論にたどり着くための話だったのだ、と感じた。
・いろいろなことがあった
選手会内での話し合いとかそういうのも書こうかと思っていたけど、前の段落で結論が出た以上ダラダラ書くのは無駄だと思ってばっさりカットしたりダイジェストにしたりした。
・開幕戦
実は当初の予定ではオープン戦でビジターだった(要するにイニング4の最後の試合) 9回裏の方が格好が付くかと思って……。
でもイニング7が入ってきたのであーこれ開幕戦でホームだな、ってなって書き換えた。そのおかげで1ヶ所えらいミスをしている(後述)
・八回を投げ抜いた剛腕エース
イニング2とかでもちらちら出ていたモトマチ。
・一塁線を超えた幼馴染が
ここ、当初ビジターで書いていたので三塁線にしていた。そして刊行時修正を忘れた。おかげでダンバラがどこ行くねんってところに行ってしまった。
ウェブ掲載の時ひっそり直した。ごめん。
・歓声と拍手が耳に入る
多分スタンドでアカシがめちゃくちゃ絶叫しながら泣いている。
・「マジカープ、選手の交代を ~ 背番号、90――」
当初、いわゆるエピローグを書く予定がなかったのでここでこの本は締めのつもりだった。のだけど……(後述)
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●GAME SET
この物語を書いている途中、贔屓球団が優勝した。
正直執筆中の自分はそんな日が来るとは思っていなくて、この物語も、これからも彼らの日々は地味ながら変わらず続くのだ--的な感じで終わるはずだった。
でもあの光景を目にして、どうしても書きたくなった。あの瞬間を自分の本に入れたくなった。
だからエピローグができました。物語の一部もかなり大きく変わったりしました。
やっぱり事実は小説より奇なり、なのかもしれない。
・見逃したら、一生悔やんでも悔やみきれない
目標のための野球断ちより目の前の優勝。
・今度はどこかの大会で
それでも次会うのは「球場」ではない。
・ウグイス嬢
実はチヅルは最初からそういう進路を目指す子として設定していた。
イメージ元はロッテのTさんとか巨人のYさん。
特に後者の方が以前見かけたインタビュー記事か何かでおっしゃっていた「ファンが1番盛り上がるタイミングを考えてコールする」「気に留められず試合が終わるのが1番理想」といった言葉がとても印象に残っていて、チヅルのキャラ形成の材料のひとつになった。
・ダブルストッパー
その昔、元#14が現役だった頃にカープが抱いていた構想。もし病魔に冒されることが無かったら……。
・解説のアオヤマさん
大抵こういう中継って試合中のチームのOBとかがやることが大半なんだけどまあ……。
一応主要なOBは地元放送局の方に借り出されているという設定にしている。そういうことにしてください(
・その話は初耳
多分このあとテレビ局の人に経歴調べられてシーズンオフに再現ドラマとか作られる。
・18.44m先のキャッチャーミットへ、白球を、投げた
ここで終わるのは決めてたけど、もし画力があったら、紙テープとかが舞っているスタンドの絵をこのあとにそっと挟みたかった。
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・”未だ見えない太陽も 今は誰かを照らしている”
実はこの物語、ウェブに99.9パーセントは公開したのだけれど、ほんの少しだけウェブには載せていない文章がある。
人によっては救いと思うかもしれないし、人によっては蛇足に感じるかもしれない。
この先もずっとウェブに載せるつもりはありません。本を買っていただいた人だけお読みいただけます。
その文章は本にしかない場所に置いてあります。
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ウェブで公開したきっかけは、本川のモデルになった大好きな選手が引退したからでした。
永川選手、ありがとうございました。大好きです。コーチとしてこの先も末永くよろしくお願いします。
長い上に読みづらくてすみません。ブログ慣れんな。
ではではただでさえ長いのにだらだらと書くのもあれなのでこの辺で。